ゴルファーなら必ず「もっと遠くへ飛ばしたい」といいます。
ベン・ホーガンもその一人でした。プロになる前の話だが、体格的に恵まれていなかったホーガンはキャディ仲間とよく行っていたドライビングコンテストではいつもぱっとしなかった。
そしてどうしてもコンテストに勝ちたかったベン・ホーガンは、クラブのプロに教えを乞いました。
そのプロはベン・ホーガンに普通のグリップの握り方を教えました。
その頃のベン・ホーガンはもともと左利きだったこともあって、右手をグリップエンドの方におき、左手はその下にして握るという、いわゆるクロスハンド・グリップでした。
ゴルフをする人ならわかると思いますが、クロスハンド・グリップで売ってみれば、クラブをコントロールすることがどれほど難しいということが分かるはずです。
クラブを正しくコントロールできなければ、当然クラブのスウィートスポットにボールは当たってくれません。力のない、目標を大きく外れたショットになってしまいます。
そのプロが教えた握り方はグリップエンドの方に左手がくるというごく普通のものです。 しかし、飛距離を欲しがっていたベン・ホーガンにこのプロは、ある変則的なことも教えたのでした。
それは左手の甲と右手のひらが、ほぼ天を向くように両手を時計回りに回転させてグリップする事です。
私も試してみたことがありますが低い弾道とオーバースピンがかかるので飛距離を稼ぐことはできます。
お分かりだと思いますが、極端なフックグリップです。この握り方でスウィングすれば、確かに飛距離は格段に伸びますが、反面ボールを確実にフェアーウェイに運ぶことは至難の業になります。
ベン・ホーガンは確かに飛距離を手に入れることができましたが、スコアは纏まらず、試合での成績は悪化の一途をたどっていきました。
このグリップがスコアの悪化の原因であることは当時ベン・ホーガンは全く気付いてはいませんでした。
酷いフックを直そうとして、グリップではなくスウィングを直すことに練習の時間を費やしたようです。
ベン・ホーガンが教えを乞うたのがあのプロではなく、他のプロのレッスンを受けていたら変則的なフックグリップをすることもなかったであろうことは容易に判断できますが、困ったことにベン・ホーガンは頑固者だったらしく誰にも助けを求めることをしなかったそうです。
その頑固さは後々プロになってから彼自身、高いツケを払わされることになりました。
ところで、話を戻すと私たち一般のゴルファー同様、ベン・ホーガンも若かりしころには、飛距離を追い求めスコアを落とすということをやっていたということです。
この事実は益々私たちアマチュアの「もっと飛距離が欲しい」と願う者たちに、彼の正確無比なショットへの道を示しているということであると確信します。
ゴルフライターのジョン・アンドリザーニの著書には、ベン・ホーガンがどのようにして欠陥スウィングを矯正し、これを克服していったかを詳細に解説されています。
その著書で、ベン・ホーガンが犯した過ちは一般ゴルファーにも共通したものであると言い切っているのは興味のあるところです。
「これはもっぱら、ボールを遠くへ飛ばしたいという気持ちからくるものだ。飛距離を出したいという思いが強すぎて、正確なショットに必要な正しいアドレスやスウィングに気が回らなくなってしまうのだ」、私たちアマチュアゴルファーは当時のベン・ホーガンと同じ過ちをあなたも犯していませんか? チェックしてみましょう!
もしベン・ホーガンと同じ過ちを犯しているなら私たちもベン・ホーガンのやり方を、試してみるといいでしょうと言われているようですね。