ベン・ホーガンについて書かれている文献を読んでいくうちに、最近のレッスン書に書かれていることが良く理解できるようになりました。
そしてゴルフスウィングで大事な基本は「グリップ」と「リズム(テンポ)」の2つであると確信しました。
アベレージゴルファーの中にも、本屋さんの棚に沢山ならべてある「ボディーターン」や「リストターン」といったスウィング理論を語らせるとレッスンプロ顔負けの説明をしてくれる人が少なくありません。
その人たちと話をしていると、どうも動作に関する事ばかりに気持ちが行っているように見受けられます。
ベン・ホーガンから学んだことから見ると,上達しない理由がそこにあるように感じられます。
実際 ベン・ホーガンも「これまでのストロンググリップをウィーク・グリップに劇的に変え、改造したことで、グリップがどれほどスウィングに影響を与えるものであるかを発見した。
それまでの極端なストロング・グリップはバックスウィングを手で、
しかも目標のインサイドに引きすぎるスウィングとなりやすいが、
ウィークグリップにしたことで、クラブの起動とスウィング・プレーンのコントロールを以前より容易にできるようになった。」と言っています。
最近よく目にするようになった「グリップ」に特化したレッスン書には、間違ったグリップによる弊害を理論的に説明しながらグリップの仕方を理解してもらおうという意図が溢れています。
余程 世のゴルファーは間違ったグリップで上達できないでいるかということでしょう。
例をあげてみると、
「フック・グリップなのにスライスがでる・・・」
「ザックリ、トップがいろいろな場面ででる・・・」
「突然 チーピンやどスライスがでる・・・」
といったアベレージゴルファーが経験する症状の原因がグリップにあることを説明してくれています。
折角ですので「フックグリップなのにスライスがでる」原因についてレッスン書にはどう書いてあるのか?
「フック・グリップなのにスライスがでる・・・」⇒ このように原因を指摘され、解決が説明されています。
「左手をかぶせるフックグリップを採用していても、右手が指先では無く,手のひらにかかるまで握りこんでいると、右手首のロックがかかってしまい、ヘッドの動きにブレーキをかけて仕舞います。
これではヘッドのターンも遅れたままで、スライスも止まりません。➡ 右手を『指握り』にすることで、手首のロックが外れ、ヘッドが走り出す。」
どんなレッスン書も先ずはグリップからです。
『モダン・ゴルフ』には「良いゴルフは、正しいグリップから始まる」というセンテンスから始まっています。
しかし「グリップは大半のゴルファーにとって、スウィングの諸構成要素の中で最も面白くない部分だ。
グリップは、きらびやかさとは無縁であり、ゴルファー諸氏は、グリップごときが何か能動的なこと、あるいは決定的なことを達成することなど、まずありえないと考えている」
と続けて述べているように、アベレージゴルファーにとっては「グリップ」の項は、先ず飛ばしてしまう部分となってしまっています。
しかし、ある程度スウィングができるようになり、
いつもいつも同じテンポでショット出来なくてもそこそこのスコアでラウンドできるようになってくると、
今度はもっと飛ばしたいという衝動にかられ、飛ばすにはどうしたらいいのかと追及するようになります。
そして多くの人がスウィングを崩してしまいます。
基本に立ち戻り、ゴルフを見つめれば「グリップ」から始め直すのが、
先人たちが「グリップ」をレッスンの最初に持ってきていることからも、間違いないところであると思います。
そして、正しいグリップを覚えて、
同伴者から「グッドショット」と声を掛けてもらえるようになりましょう。