上級者ならば、ベン・ホーガンのようなパワー・フェードやタイガー・ウッズのようなコントロールされたドローボールを打てるでしょう。
しかしドローボールはフェードボールよりもコントロールが難しい。
したがって、プロの多くはベン・ホーガンのように左からわずかに右に落ちるフェードボールを持ち球にするようです。
アベレージゴルファーは、スライスをフェードと言い張っている人もいると思います。
あなたの周りにもいますよね。
アベレージゴルファーの場合は、極端なスライスが出ることが多いので、テンポとタイミングがピタリとあった時に初めてコントロールド・スライスとでも呼べるファインショットが打てますが・・・殆どがスライス球です。
ドローボールと言っている場合も同様で、そのほとんどがフックボールです。
正しい認識をしておいた方が良いと思いますので、スライス・フック・フェード・ドローについて説明しておきます。
スライスとは打ったら飛球線の左側に入り込まず、右に曲がっていくボールです。
フックはその逆で飛球線の右側に入り込まず左に曲がっていくボールです。
フェードとは、上で述べたように、飛球線より斜め左に真っ直ぐ直進して、飛球線の頂点にボールが上がってから、右に曲がっていく球筋です。
ドローはその逆です。
さて、これまでこのブログで書いてきたベン・ホーガンはプロ初期のフックグリップでフラットでオーバースウィングをし、曲がろうがお構いなく飛ばすことに特化したゴルファーでした。
現在の理論書やレッスン書を参考にしながら当時のベン・ホーガンが陥っていた過ちをクローズアップし、皆さんが同様な過ちに陥らないよう、また自分が間違っているのだと気づいてもらえればと書いてきました。
間違っていることを知ることは大切ですが、そればかりでは、上手くなりませんよね。
スコアが良くなりませんよね。
ということで、そろそろ、ベン・ホーガンが表した不朽の名著『モダン・ゴルフ』から、これぞというところを抜粋して紹介していき、「ゴルフ上手くなりたい」人達の参考にしてもらえればと思っています。
その前に、ここで取り上げている「ベン・ホーガン」という人物について、すこし説明しておきます。
数々のメジャータイトルを獲得したことはご存知だとは思いますが、彼が初優勝したのはトーナメントに初出場してから10年後であり、メジャーに至ってはタイトルを手にするまで16年の歳月を要している。
そうなのです彼はゴルファーとして、それほどパッとせず、鳴かず飛ばずの時代が長くあったのです。
その間ベン・ホーガンはプレッシャーを感じながらも常に同じスウィングができるように努力した。
当時の、ウィークエンド・ゴルファー達はこの姿勢を自分たちと彼とを重ね合わせ、さらに無名ゴルファーから頂点にまで上り詰めた彼の姿を目のあたりにして、彼が他のゴルファーが発見しえなかった何かをつかんだのに違いないと思い、ホーガンのゴルフをもっと知りたいと思うようになりました。
プロ初期のころ、飛ばすことに固執したためにスコアが纏まらずパットした成績を残せなかったのになぜメジャータイトルを9つも手にすることができたのか?
どフックからパワーフェードへの変遷はどうなっているのか、知りたいことが沢山あり、興味が尽きることはありません。
またベン・ホーガンが自分には秘密があることをほのめかしたことで、プロもアマもこぞってベン・ホーガンの秘密とは何かを解き明かそうとしました。
それに、自分には秘密があると公言した後にも8つのメジャータイトルを手にしたことで多くのゴルファーがベン・ホーガンのテクニックの秘密を探ろうと躍起になりました。
次回からは、この秘密ではなく、ベン・ホーガンのスウィングを一つ一つ見ていきたいと思います。